境界確定訴訟について
境界確定訴訟とは、お互いに隣接する土地の境界線について争いのある場合に,裁判所の判決によって土地の境界を確定することを求める訴えのことを言います。
土地境界確定がなされていないために、以下のような争いが起きる可能性があります。
・明確な境界が確定されていなかったばかりに、隣家が断り無くフェンスを作り越境してきた。しかし、境界線が明確ではないので、隣家はこちらの主張を一向に聞き入れてくれない。
・土地の境界線をめぐり、裁判となった。そのための裁判費用、弁護士費用、損害賠償費用などの思いがけない多額な費用支出が発生してしまった。
・樹木の枝等の越境の確認が明確にできないので、隣家の土地所有者と争いになる。樹木が植えられる前の境界がどこに存在していたのか
不明であるので、解決の糸口がつかめない。
・土地の売却や、土地の担保調査の際に、境界を証明する資料が無いため、測量が必要になる。(測量には費用、時間がかかり、隣接地の土地所有者の立会いも必要になる)
・建物建築後になって、隣家に越境して建物を建てていることが判明し、建物を取り壊さなければいけなくなった。
このように、土地の境界を確定していない場合、建物の新築や立替、土地の売却といった際に、トラブルとなってしまいます。また、隣家が急にフェンスを作り越境してきたなど、トラブルを予測できない場合が多いので、やはり有事に備えて境界を確定しておく
必要があります。
また、本来登記簿に記載されている境界も間違っている場合が多いので、しっかりと境界確定を行い、登記簿にも反映させる必要があります。
【境界確定に関するトラブル事例とその解決策】
以下では、土地境界を行わない場合のデメリットを分かりやすく説明するために、トラブルの事例を挙げ、その解決方法をご紹介いたします。
■所有している土地が里道(国有里道敷地)に接しているのですが、役所の担当者との立会いのもと境界を決定し、境界杭を埋設しました。
そして数年後、里道との境界 にブロックを積み始めたのですが、近所の人から「道が狭くなった」とクレームを言われました。
しっかりと里道を管轄する役人と立ち会って決めた境界に沿ってブロックを積み上げているので、何ら問題はないと 思っているのですが、お隣ですし、トラブルには発展させたくありません。一体どうしたらいいでしょう。
このケースで重要なことは、ブロックを積み上げる際に境界杭をなくしてはいけないということです。境界杭をいつでも確認できるようにしておきましょう。
まず、里道(国有里道敷地)を管轄する役所の担当者と境界立会いをし、境界杭を確認します。もし、確かに境界杭を埋設したのであれば、「境界確認済証」がお手元にあるはずです。
そしてそれを近所の人に確認してもらってください。境界確認済証に添付されている図面には境界杭までの距離が書かれていますので、メジャーで距離を測って 杭が動いていないことを確認してもらえれば、近所の人も納得します。
原本を紛失してしまっていた場合でも、役所の担当課でコピーを交付しています。問い合わせてみましょう。または、担当の土地家屋調査士に近所からの質問を受けてもらいましょう。土地家屋調査士は、自分が立会って確定した境界線に関する問い合わせであれば説明に応じてくれます。
■20年以上前に土地を購入したのですが、そのときにはすでに塀が建っていました。
当然塀は境界線上にあると思って、今まで過ごしてきましたが先日、隣地所有者の依頼によって測量が行われたとき塀の一部が隣人の土地にはみ出していることが判明したのです。
隣人からはまだ何も言われていないのですが、はみ出した塀を立て直すように要請された場合、前の所有者が建てたものであっても、こちらの負担で工事する必要があるのでしょうか。
結論から申し上げますと、地の所有権と塀の所有権は別ですので、分けて考えます。「塀が越境していること」「塀を建て直す場合には境界線に基づいて行うこと」など の文言を、「筆界確認書」や「覚書」の書面に入れてあらかじめ隣地所有者と調印しておきます。現状維持を続け、将来的には境界線に沿って正しい位置に建て 直すということにしておくのです。
そして、隣人から塀を撤去するように要請された場合には、隣人の費用で撤去してもらいます。なお、新しい塀の工事費は、どちらの敷地内に建てるかによって費用を負担する人が異なります。隣人の敷地内に塀を建て直すのであれば、費用を支払う必要はありません。
以上に示したケースのように土地の境界画定の問題は個人の問題だけでなく、隣人等も巻き込んだ問題になりがちで、権利関係が複雑に絡んでくる場合もあります。
土地の境界確定がなされていない場合、隣家や本来の土地所有者との争いに発展する例も少なくありません。そうなった場合、感情的な摩擦やわだかまりが残り、安心して生活を送ることは殆ど不可能です。
【土地境界確定の手続きの流れ】
以下に、土地境界確定に必要な流れを示します。
以上のように、土地の境界確定を行うには、打ち合わせや立会い、書類の作成といった様々な手続きが必要です。これは当事者本人だけで行おうとしても、専門的な知識が無ければ、思うように進めることができません。
手続きが進まずに状況が悪化してしまう可能性もございますので、そうしたトラブルに発展する前に、早い段階で専門家に依頼することをお勧めいたします。
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